近代以前の世界秩序
中世ヨーロッパ世界は、社会的、地理的には分散していながらも、カトリック教会や神聖ローマ帝国、そしてラテン語という普遍性によって結びついており、東アジア世界においては冊封体制、イスラーム世界においては「イスラームの家」とよばれる緩やかな結びつきが世界秩序となっていた。
代の世界秩序
ヨーロッパ近代に成立した主権国家体制において、それぞれの主権国家が至上の価値としてきたのは、自国の利益(ナショナル・インタレスト)を最大限に獲得するということであった。したがって、その場合における世界秩序とは、各国家が自国の利益を追求した結果もたらされた、構想なき均衡状態にすぎなかった。しかし、これは二度の世界大戦を防ぐことができず、主権国家間の格差を縮めることも不首尾に終わった。
南北問題と地球環境問題
第二次世界大戦後の国際政治および国際経済の流れ、冷戦体制とIMF(国際通貨基金)体制の成立によってはじまった。そのなかで登場した南北問題は、戦後史における一大潮流をかたちづくってきた。
新しい世界秩序の模索
「貿易論のキング」と異名を持つインド出身の経済学者ジャグディーシュ・バグワティーは、1970年代に『経済学と世界秩序――世界秩序モデルの構想』を著わし、自由貿易を提唱し、グローバリゼーション擁護の論を張っている。
いっぽう、リチャード・フォークは、1980年代よりメンドロヴィッツ(Saul H. Mendlovitz)とともに「世界秩序モデル・プロジェクト(WOMP)」の創設にかかわり、公正な世界秩序の在り方を探求している。
脚注
注釈
- ^ メンドロヴィッツは1960年代にコロンビア大学で教鞭をとるかたわかたわら、ニューヨークの世界法基金(World Law Fund、のちにInstitute World for Orderと改称)で活躍していた
出典
参考文献
- 坂本義和『人間と国家(下)―ある政治学徒の回想―』岩波書店、2011年7月。
- 『南北・南南問題』山川出版社、1997年7月。
関連項目
- ヴェストファーレン条約
- ジャグディーシュ・バグワティー
- 成長の限界
- ローマクラブ
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