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2ちゃんねる改め5ちゃんねるとは、1999年5月に開設された日本最大級の電子掲示板(匿名掲示板)サイトである。西村博之が個人サイトとして開設し、2014年に管理者が交代ののち、2017年に「5ちゃんねる」に名称が変更された。通称・略称は「2ちゃん」 「2ch」(「5ちゃん」「5ch」)など。公式姉妹サイトに8chan(現・8kun)がある。
URL | 5ch |
---|---|
言語 | 日本語 |
タイプ | 電子掲示板 (匿名掲示板) |
運営者 | 西村博之 (1999年 - 2009年) パケットモンスター社 (2009年 - 2014年) ジム・ワトキンス (2014年 - 2017年) Loki Technology, Inc. (2017年 - ) |
設立者 | 西村博之 |
収益 | 広告・会員収入 |
スローガン | 「ハッキング」から「今晩のおかず」まで |
営利性 | 営利 |
登録 | 任意 |
開始 | 1999年5月30日 |
現在の状態 | 2017年10月1日に名称を「5ちゃんねる」・ドメインを「5ch.net」へ変更して運営中 |
「2ちゃんねる」および「2ch」は、西村博之が日本国内で権利を有する商標である。
日本のメディアでは「匿名掲示板」であると紹介されることが多いが、2003年1月7日から全書き込みについてIPアドレスの記録・保存を始めており、厳密には匿名掲示板ではなくなっているとCNET Japanは報じている。
概要
2ちゃんねるは、あめぞう掲示板の後継サイトとして開設されたスレッドフロート型掲示板であり、複数の電子掲示板の集合体である。「2ちゃんねる」時代の掲示板利用者は「2ちゃんねらー」「ねらー」「ちゃねらー」などと呼ばれることもあった。「『ハッキング』から『今晩のおかず』まで」というキャッチフレーズの通り、幅広い分野の話題が投稿されている。
2009年1月1日、サイト管理者と名義が西村博之からシンガポールにある「パケットモンスター社」へ移転する(後述)。
2014年2月、2ちゃんねるの実質的管理権限が何らかの理由によりジム・ワトキンス(以下「ジム」)に移転、「ジム」が2ちゃんねるの実質的管理者となる。「ひろゆき」はこれに対抗し、「2ちゃんねる (2ch.sc)」を新たに開設した。
以下、管理権限移転以前の「2ちゃんねる」は、区別が必要な文脈において、「2ちゃんねる(2ch.net)」と表現する。
「2ちゃんねる(2ch.net)」が5ちゃんねる(ごちゃんねる)へと2017年10月1日に名称変更したことに伴って、ドメイン名も5ch.netへと変更された。ウェブ上の2ch.netへのアクセスは、すべて5ch.netに転送されるようになっている(後述参照)。
かつてGoogleが提供していたウェブサイト「Google Ad Planner」によると、2009年時点での2ちゃんねるの利用者は次のように分析されている。男女比は68:32で、年齢層は35~44歳が34%、25~34歳が17%、45~54歳が17%、0~17歳が14%。学歴は高校中退以下が31%、高卒が30%、大卒が34%、大学院修了が4%となっており、世帯年収は500万円未満が46%を占めているが、1000万以上が14%いるとされる。
2014年4月11日には、ユーザーが自由に編集できる「2ちゃんねる公式Wiki」が登場した。
2024年7月には、SimilarWebなどが調べたデータによれば、日本国内ウェブサイトのアクセスランキングは58位となり、爆サイ.comに次いで日本で利用者が多いインターネット掲示板とされている。
歴史
1996年のインターネット黎明期には、あやしいわーるどなどの総合掲示板が存在したが、1998年に閉鎖。その後にあめぞう掲示板がそれらを引き継ぎ、総合掲示板として利用されていた。
しかし、あめぞうは安定したサーバー環境を確保できず、スクリプト荒らしなどにも遭ったため、1999年5月にあめぞうの避難所として2ちゃんねるが開設され、宣伝が行われた。2ちゃんねるの開設日は同年5月30日とする説と、5月16日とする説がある。当初の掲示板はクサチュー語変換や落書き帳など、ひろゆきが面白いと思うものを集めたウェブサイト内の一要素という位置づけで、その掲示板もあめぞうのスクリプトを流用したものではなく、最初は「クサチュー語変換スクリプト」を用いた「クサチュー語掲示板」であった。
こうして開設された2ちゃんねるは初期から日に1万の来訪者数があり、「東芝クレーマー事件」を大きく取り上げたことや、同年9月30日に発生した東海村JCO臨界事故の実況 などにより参加者が急増した。その後、あめぞう掲示板が同年10月から11月に機能不全に陥り、翌2000年には閉鎖したことで、より多くの利用者が2ちゃんねるに移動した。
利用者の増加
とはいえ、設立初期は一般社会にまで影響力を与えるほどの存在ではなく、芸能人や著名人本人がスレッドに書き込みをしてもそれほど騒ぎにならなかった。一例として、糸井重里は『2ちゃんねる宣言 挑発するメディア』9章の対談で、あめぞう時代からの利用者であることを語っている。また夏目房之介は、2ちゃんねる「降臨」直後に生出演したNHK・BS2『BSマンガ夜話漫画夜話』において「いやぁ〜、年甲斐もなく掲示板でアツくなっちゃって、寝不足です」と語っている。
しかし、2000年5月の西鉄バスジャック事件で犯人が2ちゃんねるに書き込んでいたことから急激に知名度を上げた。翌2001年3月には日本生命が誹謗中傷の書き込みをされたとして、東京地方裁判所に書き込み削除の仮処分申請を訴えた「日本生命事件」が起き、同年8月に東京地裁は書き込み削除を求める仮処分命令を下した。こうした事件により、2ちゃんねるは一般社会に広くその存在を知られるようになった。
2004年には訪問者が700万人を超え、Alexa Internet社の世界ウェブサイトのアクセスランキングで34位となった[要出典]。
2009年には2ちゃんねるの利用人口は1,170万人となったが、ブログ、SNS、動画投稿サイト、携帯電話専用サイトなど他サービスの台頭の影響で、世界ウェブサイトのアクセスランキングは相対的に順位を下げ294位となった[要出典]。
2024年7月には、更に順位を下げ、SimilarWebなどが調べたデータによれば、世界ウェブサイトのアクセスランキングは507位となった。
高齢化
2010年4月時点にて「若者の2ちゃんねる離れが進みユーザーが高齢化している」「2ちゃんねるは見ないが、『痛いニュース』は見るというように『まとめサイト』を見て必要情報を効率的に得ている可能性もある」と報道され、その7年後の2017年3月時点においても、同様の報道をされた。若者の間では本名やハンドルネームなどでのSNSが主流であり、匿名で一つの物事を深く掘り下げるような2ちゃんねるに魅力を感じていないことが原因として指摘されている。
2022年4月に「1985年(昭和60年)生まれ(プレッシャー世代)が、最もゲームの進化を体感できた世代」というスレが立ち、それに反論するもっと年上の世代(概ね後期しらけ世代から前期バブル世代までの世代〈いわゆる新人類と呼ばれた世代〉)が多くいたことから「ファミコン以前のゲーム事情を今も記憶している人たちの書き込みって結構多い。やっぱり5ちゃんねるっておっさんの巣窟だ。」と評された。
初代管理人の西村博之は、西鉄バスジャック事件の際に取材を受け「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」と答えた他、2ちゃんねるでは騙されないための自衛策として、「ソース(情報源)はどこ?」と聞くのが常識となっていたが、その後のスマートフォンの普及に伴い電子掲示板からSNS全盛期に時代が移り変わると、ソースを確かめないで拡散してしまう人が増え、大衆のネットリテラシーが後退したと評している。
また、西村博之は「2ちゃんねるはメディアの出演者などの悪口を書く文化も作ってしまった」という指摘に、「そういう需要がもともとあって、2ちゃんねるが廃れた後、Twitterに書かれるようになっただけだ」「今のTwitterをはじめとしたネット社会は、ソースがないものを平気でばらまいても、誰もそれを責めない。2ちゃんねるの文化の方がまともだったではないか。騙された人が騙されたまま放置されている状態がかなり多い。騙されている人って、自分が騙されていることも分からない。でも『それは助けた方がいいよね』といってくれる人もいない。困っている人は、ずっと困っているままなのかなと思うことがある」と主張している。
ひろゆきは2ちゃんねるが廃れた理由として訴訟問題を挙げ、「需要とそれを提供する側の問題で、当時は提供する人が僕しかいなかった。日本国内でやるとトラブルが多いので、今はTwitterだったりFacebookだったり日本で使われているサービスは全部外国が作ったサービスだ。日本でやると、いろいろなところで文句を言われて足を引っ張られるので、日本でやる人がいなくなって、外国のサービスにみんないってしまった」と評している。
一方で2017年11月に10代女子向け総合メディア「マイナビティーンズ」が発表した13~19歳の女性1006人にアンケートを取り集計した「10代女子が選ぶ今年の流行語」の「コトバ」編の第3位に5ちゃんねるの「なんj」((実況ch#なんでも実況J板))由来である「ンゴ」が選ばれたこともあった。「わろたンゴ」「泣いたンゴ」「お疲れンゴ」「おいしかったンゴ」と語尾につけるものとして流行ったが、由来が5ちゃんねるで元東北楽天ゴールデンイーグルスのドミンゴ・グスマンが2008年開幕戦でリリーフ失敗してしまったことを揶揄した書き込みから発祥した自虐的な意味合いとしてではなく、語尾の響きが面白いという理由で使われているとねとらぼは報じている。
5ちゃんねるの「冷笑文化」は2023年現在のSNSの文化に影響を与えており、中央大学講師でジャーナリストの渋井哲也は「ネットの冷笑文化のルーツは1999年に誕生した掲示板『2ちゃんねる』にさかのぼります。そこでウケるのは“本音を言っているように感じられる表現”。匿名で書き込めて、レスが伸びる(多くコメントがつく)ことで、気分が高揚する点が特徴です」「暗黙のルールの多い2ちゃんは、書き込むにはハードルが高いけれど、閲覧だけしている人も少なくない。今に通じるネットでの冷笑的な振る舞いは、2ちゃんや2ちゃん的なものによって強化されたといえるでしょう」「ひろゆき氏が冷笑文化を浸透させたわけではなく、世の中の映し鏡です」「冷笑文化は自然発生的に生まれたもので、端的に言えば“祭り”です。祭りを盛り上げるために冷笑的な言動をしたり、“マジレス”をしたりする。本物の祭りだって何の神様かわからないのに参加しますよね。それと同じで、騒がれていることが事実かどうかは重要ではありません。盛り上がって楽しむネタになればいい。こうした構図は2ちゃんねるもSNSも同じで、変わっていません」と主張している。
訴訟と所有権の移転
2ちゃんねるでは誹謗中傷や名誉毀損、第三者の個人情報、著作物の無断転載、薬物の密売情報などが書き込まれた際に必要十分な対処がされないことが多く、管理人(当時)のひろゆきに対する民事訴訟が後を絶たなかった。
しかし、ひろゆきは代理人弁護士を立てず、裁判への出席もしなかったため、ほとんどの裁判で敗訴した(→(擬制自白))。にもかかわらず損害賠償金を支払っていない。本人はそれについて次のように語っている。
「僕は沖縄から北海道まで訴えられているので、自腹で日本中を回るか、1件100万円以上払って弁護士をつけるかなんです。でも『(裁判を)やらない』という選択肢をとったら何も起きなかった。これが現状。勝とうが負けようが、払わなければ一緒なんですよ」 「もし僕に金を払わせたいなら、国会議員に言って、そういう法律を作ればいい」
2006年から2007年にかけて破産宣告の第三者申し立てが行なわれ「2ちゃんねるのドメイン(2ch.net)」を含むひろゆきの財産仮差押えの申請がなされるなどし、2009年1月2日に、ひろゆきはシンガポールの「PACKET MONSTER INC.」に運営権を移転し管理人から退くこととなった。しかし、実質的な運営権は移転しておらず管理会社は名義貸しをしただけであり、ひろゆきは2013年に東京国税局から約1億円の広告収入の申告漏れを指摘された。
2010年1月には、2ちゃんねる内の書き込みを書籍化した『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』のひろゆきに支払われていた印税が差し押さえられ、初めて損害賠償金が回収された。
2ch.scと5ch.net
2014年2月19日、2ちゃんねるの実質的管理権限が何らかの理由によりジムに移転、ジムが2ちゃんねるの実質的管理者となる。ジムと思われる人物の主張によれば「『N.T.Technology』会長ジム・ワトキンスがサーバー料金の未払いを理由に、当時の運営陣であるひろゆきらを全員解任し、管理人にワトキンス本人とその親族が就任する」という主旨の発表であった。
同年4月1日、ひろゆきは運営から外されたことについて「違法な乗っ取り行為である」と宣告し、2ちゃんねる(「2ch.sc」。略称「sc」)という名称の電子掲示板を設立し、自身が管理人に就任した。
これに対しジムは「2ch.net」のドメインは「Race Queen Inc.」が所有し、現在の運営体制にも違法性はないとした上で、ひろゆきに対する法的対応を検討すると応酬した。「ひろゆき氏側とは協議を続ける意向だが、何ら司法判断が存在しない状態で、Race Queen inc.と商取引(広告掲載契約等)をすることに違法性があるということは法的には誤った判断」と批判し、「かかる商行為に違法性があるとの西村博之さんの主張は、Race Queen Inc. の名誉を著しく毀損するものであり、法的対応を検討せざるをえません」としている。
一方でひろゆきは、2009年1月に2ちゃんねるを名義上シンガポールの「パケットモンスター社」に譲渡し、同5月には著書『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』を扶桑社から出版し「2chを手放した」と公言していたため、2ちゃんねらーたちは「西村は嘘つきだ」とバッシングをした。
2015年9月、ひろゆきは4chanのQ&Aセッションでワトキンスを相手取り、日本において2ちゃんねるの所有権をめぐる訴訟を提起したことを表明。
2016年5月 - 7月、日本国内における「2ch」「2ちゃんねる」の商標権をひろゆきが取得した。一方で世界知的所有権機関(WIPO)は、ひろゆきからの「『2ch.net』のドメインが不法占拠されている」という申し立てを却下した。これを受け、Race Queen Inc. は「2ch.net」のTOPページにおいて「西村氏によるこれまでの一連の主張は全くもって虚偽で、2ch.scを含む西村氏の言動は運営を妨害する違法行為なので今後厳正に対処する」とコメントした。結果として、日本国内における「2ch」「2ちゃんねる」の商標権はひろゆきが、ドメイン「2ch.net」の登録権限は Race Queen Inc.が管理している状況となった。
この時期、特許庁はRace Queen Inc.が申請していた「2ch」「2ちゃんねる」の商標登録の無効審判請求を棄却した。この判決を受けて、ワトキンスは同年10月1日、2ちゃんねるを「Race Queen Inc.」から「Loki Technology社」に譲渡すると発表した。ワトキンスは「西村博之からの妨害行為により、ユーザーに安全かつ快適な利用を提供することが困難になったため」としている。譲渡先とされた「Loki Technology社」は、「権利関係で無用な紛争を生じさせないため、掲示板を新たに『5ちゃんねる(5ch.net)』として運営する」ことを発表した。ちなみに「5ちゃんねる」および「5ch」は、2ちゃんねるの技術担当者であり、8chan(現・8kun)の元管理人であるCode Monkey★が日本国内で権利を有する商標である。
2018年6月22日、ひろゆき()が2ちゃんねるの所有権をめぐり「NTテクノロジー社」を相手取った民事訴訟で、NTテクノロジー社の債務不履行を認め、同社に損害賠償および前払いのサーバー使用料の返還を命じる東京地裁判決が出た。翌2019年4月25日には、「8chan(8ch.net)」のTwitterアカウント(@infinitechan)において「東京高等裁判所にて一審判決を破棄し、東京プラス社の請求がすべて棄却された」という趣旨の発表がなされた。2019年12月4日、「5channel (5ch.net)」のTwitterアカウント(@5chan_nel)において「最高裁判所での上告棄却により、東京プラス社の請求がすべて棄却された東京高裁判決が確定した」という趣旨の発表がなされた。
2020年10月27日、8chan(現・8kun)創設者でありワトキンスのビジネスパートナーであったフレドリック・ブレンナンは「5ちゃんねる」への名称およびドメイン変更の理由について「西村博之はUFMJRA(統一外国金銭判決承認法。アメリカ合衆国法)を用いた2ちゃんねるの差し押さえを画策しており、それを回避するための物だった」という見解を述べている。
ジャーナリストの清義明は、ウェブサイトの持つ所有権の不透明性を利用して「2ちゃんねるは脱法ビジネスのごとく運営されてきた」と指摘しつつ、管理権紛争をめぐる判決結果をもとに「2ちゃんねるとは誰なのか」ということについて次のように総括した。
2ちゃんねるは、サーバーに蓄積されたデータのことなのか、それともサイトのドメインのことなのか、または商標のことなのか、それとも西村博之本人のことなのか。仮に会社が運営しているとしたら、パケットモンスター社というペーパーカンパニーなのか。ウェブサイトとは誰なのかという不透明性を利用して、様々な脱法ビジネスが繰り広げられたということである。この正解は誰にもわからない。ただ最高裁までいった2ちゃんねる乗っ取り裁判では、サーバーの所有者でありドメインも保有しているジム氏に軍配があがった。この判例が現在はすべてである。 — 清義明 (2021年3月26日). “Qアノンと日本発の匿名掲示板カルチャー【2】西村博之とジム・ワトキンスの2ちゃんねる骨肉の争い/下”. 論座(RONZA). 朝日新聞出版. 2021年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月22日閲覧。
この間、ひろゆきは2ちゃんねるの所有権をめぐる訴訟以外に、2ちゃんねるの商標権をめぐる損害賠償請求をワトキンス(Race Queen Inc.)に起こしている。これは、ひろゆきが所有する「2ch」「2ちゃんねる」の商標権をRace Queen Inc.が2014年のサイト乗っ取りから2017年にサイト名を改称するまでの間、不当に侵害していたとして損害賠償1億7500万円、およびドメイン名(2ch.net)の使用を中止するまで月額500万円を支払うように求めたものである。
2019年12月24日、「Race Queen Inc.」のTwitterアカウント(@RQueeninc)は「西村博之側の請求が棄却されるとともに、2ちゃんねるの商標法上の先使用権が認められた」という趣旨の発表を行った。
翌2020年、Race Queen Inc.が「2ちゃんねる」の名称を使うことを禁ずる判決が出た。しかし、それ以外の損害賠償請求は棄却されたため、これを不服としたひろゆきは判決直後に控訴した。この裁判は2023年現在も両者間で係争中である。なお、この裁判ではジム側の証人として当時の2ちゃんねる関係者がサイトの運営実態にまつわる赤裸々な証言を行っており、たとえば「FOX★」こと中尾嘉宏は陳述書の中で、2ちゃんねるが転送量増大でサーバーが落ちかけたのをUNIX板の住人が救った2001年の「8月危機」について「事実と異なる部分が多数あります」とし、実際はジムと提供してきたサーバーが広告料の見返りに合わず、サーバーを落としたのが真相だと述べている。
まとめサイト・転載禁止
2007年12月、ニュース速報板に立てられたスレッド(スレ)を、アフィリエイト広告などを設置して営利目的で無断転載するまとめブログが増え、スレ住人の間でその是非を巡る議論が高まったことを受け、当時の2ちゃんねる管理人であるひろゆきがニュー速(嫌儲)板を新設した。
2012年5月、情報の真偽を確認せず2ちゃんねるの書き込みを転載し、間違った情報を広めてしまうまとめサイトに対して未だ抗議があった。またスレッドの文脈を無視した編集がされる場合があり、時には本来存在しなかった書き込みが捏造される場合もあった。これについて当時の2ちゃんねる管理人であったひろゆきは、特に悪質とされた複数のまとめサイトに対し、名指しで転載禁止の処置を取った。ひろゆき自身はまとめサイトの根絶は不可能であると考えていたが、悪質なサイトに対しては引き続き対策をしていくとコメントした。
2014年2月、前述の通り2ちゃんねるの実質的運営者がジム・ワトキンスに代わる。その後2014年3月、2ちゃんねらーたちによる投票により複数の板が転載禁止になり、程なくして全ての板が転載禁止となった。5ちゃんねるとなった後の2017年11月にはまとめサイトに関するルールが変更され、まとめサイトは引用ではなく転載であるため「許可が必要」として、無断使用にはDMCA侵害として申し立てるとともに、民事訴訟・刑事訴訟による法的対応も取るとされた。
個人情報流出事件
2013年8月25日、「2ちゃんねる個人情報流出事件」が発生し、約4万件の2ちゃんねるビューア(通称「●」。現:)利用者の顧客情報と書き込み履歴、約15万件分の「●」と「お試し●」の管理情報、利用者のトリップの情報、運営に関わる者のキャップの情報の流出が確認された。
掲示板のシステム
この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2018年5月) |
2ちゃんねるは、スレッドフロート型掲示板と呼ばれる形態である。
それぞれの掲示板は、「カテゴリ」と呼ばれる大きな分野単位で区切られており、ニュース、食文化、ネット関係などがある。
その中で分野ごとに「板」(いた)と呼ばれるジャンルに分けられている。2ちゃんねる内には多くの板が存在するが、利用者数は板によって大きく異なる。極端に利用者が少ない板は過疎板と呼ばれ、その逆に極端に利用者が多い板は過密板と呼ばれている。
各板には、その分野に属する話題ごとに細かく分けられたスレッド(スレ)が存在する。掲示板への書き込みや閲覧は、このスレッドの中で行われる。スレッドに書き込まれた文章をレス(レスポンス=返信の略)と呼ぶ。
2016年5月現在、およそ905個の板があり、各板には数十から数百のスレッドがある。板は時折新設されるほか、「バーゲン板」のように特定の季節にだけ開設される板もある。2002年5月 - 6月には2002 FIFAワールドカップ実況板(4板)、2004年8月にはオリンピック期間中限定の専用板が新設されたこともある。また過去には、当時の管理人ひろゆきの誕生日に、彼を祝福することのみを目的とした板が新設されたこともある。
各スレッドでは匿名での投稿が可能となっており、利用者が名前を入力しないで投稿を行うと、板ごとに設定された仮の名前が自動的につけられるようになっている。仮の名は「名無しさん」を基本として板によりさまざまなバリエーションがあるが、ほとんどの利用者は匿名で投稿を行うため、一見すると「名無しさん」という名前の人間が連続して投稿を行っているように見えることがある。このため、以前は「名無しワールド」と呼ばれることもあった。
基本的には規制されなければ(#規制参照)誰でも書き込むことができるが、規制情報板と●板、beカテゴリの3板は書き込みが制限されている。規制情報板は2ちゃんねるで規制されているプロバイダーの情報を掲載しているという理由から、規制に関わる規制人や報告人しか書き込めない。●板は●(2ちゃんねるビューア)を持っている人のための板であるため、●を持っていないと書き込めない。閲覧に関しては制限はない。
beカテゴリの3板はbe@2chのアカウントを持ってログインした状態でないと書き込めない。閲覧に関しては制限はない。
なお、電子掲示板全般での2ちゃんねるの存在は際立っており、このため機能や形態などが2ちゃんねるを参考に作られた掲示板は数多く存在する。その類型は無数に存在するが、単に同種のスレッド表示型から、インターフェイスから使用背景画像まで似せたものまでさまざまである。
スレッド
概要
2ちゃんねるでは、一つのスレッドに投稿できる書き込み(成功)数が1,000回または、データ容量が約500KB(キロバイト)までと制限されている[信頼性要検証]。
連番には、スレッドの話題に関係ある助数詞を用いることも多い(学校関連スレなら○時間目、事件関連スレなら○件目、2ちゃんねる各板にある「ホームランスレ」なら第○号など)。ほかにも語呂合わせが使われることもある。
参加者の人数や書き込み数が増加し、特定のサーバの負荷が高くなった場合には、一般のブラウザではアクセスできなくなる「人大杉」(=「人が多すぎる」)と呼ばれる現象が発生することがある。この状態で板を利用するには、2ちゃんねる専用ブラウザを使用する必要がある。
また、上記の「容量上限制」を逆手に取ったスレッド潰しがされることもある。
一切の書き込みができない、広告的要素のスレッドも存在する。これは全掲示板に出現し、位置がある程度下がるとふたたび上がるようになっている[信頼性要検証]。
終了後
発言数が1000番を超えたスレッドの1001番目および、データ容量が約500KBを超えたスレッドの次番目には、もう書き込めないことを表す表示(板によって異なる)がされ、書き込めなくなる。書き込めなくなったスレッドは、数時間後に板のスレッド一覧から削除される。
以下では、スレッドの終了に関する2ちゃんねる特有の用語を説明する。
- dat落ち
- スレッドが圧縮判定か即死判定にかかり、掲示板のスレッド一覧から削除された状態。
- dat落ちしたスレッドは「このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています」と表示され、書き込むことはできないものの閲覧はWEBブラウザで出来る。
- 2014年2月19日以前は、「●(まる、2ちゃんねるビューア)」と呼ばれる有料閲覧システムと2ちゃんねる専用ブラウザを併用するか、 2ちゃんねる検索 で50モリタポ(プリペイドポイント)を払うしか確実に閲覧する方法はなかった。
- それ以外で閲覧する方法には、外部サイトの「みみずん検索」「ミラー変換機」などを利用するなどがある。また、時間はかかるがHTML化を待つという手もある。
- 圧縮判定
- スレッドの数が板ごとに設定された一定数(400個、500個、600個など)に達するとこの判定が行われ、板の中で書き込みが最後に行われたスレッドから順に、板ごとに設定された数(100個など)のスレッドがdat落ちする。
- 即死判定
- 書き込み数が980回以上か、データ容量が板ごとに設定されたある容量以下(5KB以下、30KB以下など)という条件を満たすときにこの判定が行われ、最後の発言から丸24時間以上経っているスレッドはdat落ちする。書き込みの多い板では最後の発言から12時間、6時間と判定がより厳しくなっているところもある。また、実況系板では一定の時間が経過するとスレの書き込み数に関係なくdat落ちする判定がある。
- n日ルール
- スレッドが立った後、n日経過するとdat落ちするルール。おもに実況系の板で採用されている。
- HTML化
- 一度dat落ちしたスレッドが、再びWEBブラウザで閲覧できる(つまりHTMLファイルが配信される)状態になること。かつてはあるスレッドがHTML化されるかは運に近かったが、現在はdat落ちしたスレッドも引き続きWEBブラウザで閲覧できるため、ほぼ死語になっている。
名無し
名前欄を無記入で投稿した場合、「名無しさん」もしくは、その板に準ずる名前が自動的に書き込まれる。
この「名無し」のシステムにより、利用者間の個人的な交流が減少した結果、以下のような特徴が生まれた。
- メールアドレス欄にもメールアドレスが書き込まれないことが多い。
- (スレッドフロート型掲示板のシステムでスレッドを板の上位に上げないようにするとき、メール欄に「sage」(「下げ」と読む)を書き込むシステムも原因の一つ)
- 敬語(尊敬語、謙譲語、丁寧語)を使わない利用者が多い(板によって傾向は異なる)。
- 簡潔な会話をよしとし、込み入った内容が忌避されるスレッドが多い。
- ハンドルネームをつけた人間(固定ハンドルネーム、略してコテハン)が忌避されることが多い。
- (板によって傾向は異なる。また、煽り荒らし行為の口実とされる場合が多い)
「名無し」について、管理人(当時)のひろゆきは「たとえば安倍首相が実名でネット掲示板に書き込んだら議論どころじゃなくなる。純粋に議論をするのなら、人格はないほうがしやすい」「ほかの日記やブログサイトというのは、個々人のコミュニケーションが目的としてサイトが作られているわけですが、2chの場合は情報を蓄積することを目的としている」などと語っている。
「名無し」のシステムは、あめぞうより引き継いだものである。
ID
2ちゃんねるでは、ID機能を取り入れている板がある。これにより、名無しの匿名性を利用した自作自演を限定的であるが防ぐ効果がある。
IDは、強制的につく板、任意でつく板(メール欄に文字入力するとID:???と表示される、または名前欄に!idと入力する)、表示されない板の3種類である。IDは主にIPアドレスと日付の情報を暗号化したものが使用される。この機能は、利用者が個々の書き込みについて、書き込んだ者を特定・名寄せすることを意図したものではない。
ID機能は自作自演を防止し、無意味なレスをつけてスレッドを浪費することを緩和する。従って、過疎板において、仮に荒らし(スレッドに関係のない書き込み、またはそれをする者)が常駐してまったく機能しないスレッドがあったとしても、それを理由にID機能の導入を申請しても運営側は受け入れない。
なお、管理者側はこれを考慮して、無責任な書き込みを減らす一環として、2004年11月ごろから「be@2ch掲示板」システムを実験的に導入している。これにより、直接個人を特定できるわけではないが、ログインしている者について、どの書き込みを行ったかある程度判別できるようになった。
一方で、固定ハンドルネームを名乗る利用者(コテハン)が存在しており、スレッドによっては議論の要になることがある。また、ほとんどのコテハンはトリップと呼ばれる騙り防止機能を利用している。これは一連の書き込みが同じ人間によるものであることを証明する。中には、ハンドルネームを持たないままトリップ機能を利用する「名無し」のコテハンも存在する。
iモードの普及と携帯電話への対応によって携帯電話とコンピュータとの2つのIDを持つことが平易になったため、この2つの区別が出来るようIDの末尾に携帯電話からの書き込みには「O(オー)」、コンピュータの書き込みには「0(ゼロ)」が付くようになった(ただし板の設定によってつかない場合がある)また公式2ちゃんねる「p2」を介して書き込むと、末尾はPになっていた。さらに新体制になってからはp2が破棄される一方でスマートフォンの普及とMVNOやWiFi方式による公衆無線LANの興隆に伴い、さらに複数のIDが持ちやすくなったことから、これらの接続回線ごとにIDの末尾が詳細化され、さらにはキャリアを示す呼号やISPやブラウザなどの情報をハッシュ化した別のID(「KOROKORO」と呼称)を表示するシステム「BBS_SLIP」を導入した。しかし、これらの対策をもってしても複数台の端末や回線を使った自作自演がしばしば指摘される。
キャップ★
2ちゃんねるでは、運営にかかわる各種のボランティアなどに対して★(騙り防止の星印)が発行される事がある。
これはおもにキャップと呼ばれ、トリップ導入以前はメールを送れば簡単に手に入れることができた。用途に応じた種類があり、代表例として「削除人★」「案内人★」「記者★」など。キャップは、キャップを管理している運営陣が不定期にメールで公募する。スレ内で活動する、トリップを使用している◆(ひし形)がついたコテハンとは違い、スレッド(スレ)外の利用者の目には触れにくい運営の部分で活動するのがおもな特徴である。
また、2ちゃんねる中の質問スレッドで時折出る「どうしたら削除人になれるか?」という質問だが、詳細な実態は不明である。こぞって「そういう質問をしないことから」が謳い文句だが、これはいわゆる「くれくれ君」を除外するためであり、そういう質問をせず自力で削除人になる方法を探し出せる人物が求められているということらしい。肝心の手続きは、案内人(案内人制度以前は復帰屋)から下積み修行を行い、募集に応えること(およびほかの削除人からの推薦)で手にできるということである。
キャップ保持者はその情報を漏らすことを固く禁じられており、スレ立ての際の不手際などによりキャップを漏らしてしまった場合、ただちに上位管理者に報告しなければならないとされる。キャップを漏らしてしまったことにより、二軍降格などの懲罰も存在する。
2011年1月6日、個々人の漏らしではなく、ハッキングツールにより過去最大級のキャップ情報の流出が起こった。
キャップの種類
- 削除人
- 削除屋とも呼ばれ、2ちゃんねる内の発言を削除する権限を持つ。
- 復帰屋
- 削除人への応募資格を持ち、削除整理板・削除要請板など削除系の板でアドバイスなどや板復帰(各掲示板のスレッド一覧が壊れた際の修復)をしていたが、耐障害性の向上による形骸化が進んだうえに、案内人制度が導入されたため新規募集は停止。
- 案内人
- 削除人への応募資格を持ち、削除整理板・削除要請板など削除系の板でアドバイスなどをする。復帰屋が板復帰のできなくなったような立場であるが、なぜか板復帰のできる案内人も存在する。たびたび募集している。
- 復帰補
- 2004年に板復帰の権限が運用情報板や規制議論板の一部の固定ハンドルに与えられた際、キャップ持ちでなかった3名に与えられた。削除人統括者の管轄下になく、復帰補であることは削除人への応募資格にはならない。
- 記者
- ニュースカテゴリ内で、スレッドを立てる権限を有する。名前の後に付く「★」が顔文字でペンを持つ手として用いられることの多いφを加えて「φ★」となる。
- お止め組。
- 2004年の夏に設立された組織。実況によるサーバー負担を防ぐために実況中のスレッドを止める権限を有する。
その他、色々なことが自由にできる上級運営人なども存在する。例えば「root▲▲ ★」はその名の通り、管理者特権が使用できるサーバのシステムチューニングを担当している。
(旧)キャップ
(旧)キャップとは、コテハン騙り防止のためのシステムであった。名前は「騙り防止」→「帽子」→「キャップ」に由来する。管理人(当時)であったひろゆきにメールで申請することによって取得できた。投稿者名欄に事前に発行されたパスワードを入力することによって使用する。
例:「二桁%」という投稿者名に「po5253」というパスワードのキャップが設定されていた場合、
- 投稿者名欄に「二桁%」と入力……表示は「"二桁%"」
- 投稿者名欄に「po5253」と入力……表示は「二桁%」
- 投稿者名欄に「ヘタレ二桁%ノック派」と入力……表示は「ヘタレ"二桁%"ノック派」
- 投稿者名欄に「ヘタレpo5253ノック派」と入力……表示は「ヘタレ二桁%ノック派」
なお、スペルミスなどの理由で漏れてしまうことがあった。fusianasan機能は、もともと漏れてしまったパスワードの対策目的であった。fusianasan機能とは、2ちゃんねるに投稿する際に、名前欄にfusianasanと記載することで自分のパソコンなどの機器のホスト名を2ちゃんねるに公開する機能である。コテハン機能とは別に個人を証明するために存在する機能でもあるが、fusianasan機能を知らない2ちゃんねらーを騙し「危険な情報が裏2ちゃんねるにある」と偽り、名前欄にfusianasanと書かせ匿名性をなくさせるような投稿が多い。これに騙され、業務中に2ちゃんねるを使っていたことが判明した一般の公務員や会社員も多数いる。
なお、パスワードは2000年6月ごろからすでに流出していたが(掲示板cgiスクリプトの流出)、同年12月、固定ハンドルユーザーの1人によりロビーに転載され、同日に対策が行われ現行のキャップシステムに変更となった。
現行のシステムで実際に使用するときは、メールアドレス欄に「#」とその後ろにパスワードを入力する。するとサーバーに登録されている「ハンドルネーム★」での書き込みとなる。名前欄になにかしらの記載がある場合、ハンドルネームの前に「名前欄の記載内容@」が付加される。通常、メールアドレス欄において「#」以降の文字列は無視されるため、万が一スペルミスなどがあった場合でもパスワードが漏れる可能性は低くなっている。
規制
この節は中立的な観点に基づく疑問が提出されているか、議論中です。(2015年1月) |
プログラムを利用した大量投稿などを阻止するために、ホスト規制がしばしば実施されることがある。その際、該当ホスト利用者が巻き添え規制されることがある。ホスト規制は運営による恣意的な判断が認められているため、内容如何によっては1回の投稿でも長期もしくは無期限のホスト規制がかけられる。また、ホスト規制だけでなく、NGワードによる規制(Rock54)、Cookieによる端末規制も併せて行われる。2018年ごろから規制(他所でやって下さい表示等)が広範化されたことで投稿数は大きく落ち込む傾向にある。
- 2008年8月20日にasahi-netの動的IPのユーザーに対して全板においての永久規制を行った。きっかけとなったのは、asahi-netを通じて各板において荒らしを行ったユーザーが一人現れたためであるが、動的IPであったためホストを特定できず、asahi-netの動的IPのユーザー全てに永久規制をかけることとなった。これに対してasahi-netのユーザーである2ちゃんねらーからは多くの不満が出ている。
- 2009年3月中旬から7月中旬にかけて、「ソフトバンクBB」ユーザー(bbtec.net)の利用を全面的に禁止(全サーバー規制)する措置を運営側が取った。これは個人情報を幾度も垂れ流す悪質なユーザーが現れたためだが、本来ならばそのユーザーが送信したと思われる地域のみに特定し運営側が規制を行うことも可能であると言われているものの、ソフトバンクのユーザー全員を巻き込んで規制された(このユーザーはほかのプロバイダーでも同様の行為をしており、ネットカフェから投稿していたことがのちに発覚した)。
- 2009年の衆議院選挙に関連して民主党関連の批判記事を大量コピーペーストしたホストに対して規制が行われ、その後同様のコピーペーストが行われると1回で規制が発動され批判を招いた。同様に規制を妨害したり(「記念カキコ」)一度ブロックされた大量コピーペーストが再度投稿されると「見せしめ」と称して規制発動されるなど、規制については掲示板の公共性をまったく容認しないスタンスで終始しており、運営による恣意的管理が広く認められているのが特徴である。
- 2010年8月現在、先に述べた動的IPに対しての規制のためKDDI・OCN・EMOBILEなどの大手ホストからの書き込みはほとんどできない状態が続いている。
- 2010年8月以降、スレを埋め立てる埋め立て屋が現れ、運営側が埋め立て屋の件に関して長期間規制をかけているため書き込みができない状況になった。
- 2011年3月中旬、Cookieを使った書き込みレベル規制「忍法帖」が導入された。
- 2014年2月に西村らが運営より解任されて以降は大規模な規制は行われていない。
- 2014年中旬からNGワードとして、敵対するサイト(2ch.scやログ速、ニコニコ動画など)が登録されはじめる。また同時に、CoPiPeと呼ばれる同一内容の投稿を防止するシステムが作成される。
- 2015年初旬に、NGワードの投稿回数で規制される機能の存在が判明する。これにより荒らしがIPを変えながら利用したプロバイダは事実上の大規模規制された状態になっている。
文化
2ちゃんねるは、それ以前に隆盛したアンダーグラウンド掲示板「あやしいわーるど」や直接の派生元である「あめぞう」の流れを受けた文化を持っており、大半が固定ハンドルを用いることなく参加し、ネットスラングや絵文字が多用される。また、攻撃的言辞や不謹慎な書き込みも多い。
名無し
多くのウェブサービスと違い、システム上名前を入力することが必須ではなく、そのため書き込みをする人も固定の名前を使うより「名無し」で発言することが多い。これはあめぞうからの影響が多大である。そのためか、固定ハンドルネームで書き込む利用者はNGに入れられたりなど、嫌われる傾向にある。
独特の用語
アスキーアート
ネット右派との親和性
2ちゃんねる発足同時期の1999年からネオナチ・極右ユーザーがリベラル系のサイトをターゲットに攻撃を仕掛けており、瀬戸弘幸は実名で頻繁に投稿を繰り返していた。時事関連の板で外国人労働者や外国人参政権に関連した荒らし紛いの論戦が繰り広げられていた。
2000年4月、2ちゃんねるで初の大規模炎上が発生する。石原慎太郎東京都知事の「三国人発言」に抗議のメールを都庁宛てに送るよう呼びかけた当時の小金井市女性市会議員をターゲットに「都知事・府知事板」に大量の誹謗中傷メッセージが書き込まれる。性犯罪を示唆するような内容も含まれていた。市議のホームページの掲示板も荒らされ閉鎖に追い込まれた。市議は2ちゃんねるの運営に書き込みの削除を要請したが、このことが2ちゃんねらーの反発を買い、さらに激しい攻撃を受けるようになった。市議は心労により5月29日、市の委員長を辞任するも炎上は収束せず。
社会への影響と問題励起
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ネットワーク社会への影響
日本語による最大の匿名掲示板である2ちゃんねるは、炎上現象の発生源になるなど社会や個人にさまざまな影響を与えており、2ちゃんねるからと思われる閲覧者をリファラやNGワード機能を用いてアクセス禁止にしているサイトもある。
また2ちゃんねるは、運営陣のほとんどがセキュリティ関連の知識に疎いと言われており、アクセス量に対して管理者が少なく、DoS攻撃やゼロデイアタックの攻撃対象となりうる。サーバのURLを投稿するだけでも、ユーザーのアクセスが集中してDDoS攻撃となることもある。いずれにしても、総じてトラフィック上の負荷に与える影響は大きい。このため、2ちゃんねるのサーバはTyan製マザーボードが用いられており、またネットワーク負荷に耐えるためにアメリカ・サンフランシスコ市内の通称「」と呼ばれるインターネットエクスチェンジ網直結のインターネットデータセンターに設置されている。
プライバシーと犯罪行為との兼ね合い
2ちゃんねるはその特性上、一部ではあるが、投稿による特定の個人に対するプライバシーの暴露や誹謗中傷を含む書き込みが存在している。2ちゃんねるに限った話ではないが、総務省が匿名掲示板でたびたび発生する人権侵害事案に対処するため、「名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」を改訂、書き込まれた内容について被害者本人に代わって法務省人権擁護局が削除を要請できるようにする方針を決めた。このガイドラインに基づき、各地の法務局の人権擁護課が未成年犯罪者の実名掲載などの削除要請を行っている。
これに対して当時の管理人・ひろゆきは以下のように述べ、要請に応じなかった(法務省もこれに対する明確な答えを出していない)。
無関係の一般人のプライバシーが公開されることに関しては無条件に削除するべきだとは考えますが、犯罪者の疑いの強い容疑者に関しては、一般市民と同レベルの権利が保証されるべきとは思えません。また、一般市民と同レベルのプライバシーが保証されるのだとしたら、今回の犯人以外にもプライバシーが公開された被害者がいるわけで、そちらの方々にも同等の救済措置をすべきだと考えます。一般の人への救済措置を差し置いて、容疑者の救済措置を優先するというのが法務局の考えなのでしたら、従う用意はありますが、この件に関しては明確にお答えを頂きたく考えています。 — ひろゆき
犯罪予告と投稿監視
西鉄バスジャック事件以降、誘発されるように犯罪予告を書き込んで逮捕される者や、それを実行に移し逮捕される者が現われる。また、爆破・殺人の予告書き込みによる逮捕者を出しているため、大きな事件があると、各板で頻繁に書き込まれている殺害・襲撃予告と事件の関連性を関係機関がチェックしているとされる[要出典]ほか、警察庁のサイバーフォースが定期的に検索をかけ書き込みを監視している[要出典]。また明らかにいたずら目的と思われる些細な犯罪予告の書き込みでも、ほかのユーザーが運営側に通報して逮捕などに至ることがあり、多くのユーザーの間では犯罪予告は禁句となっている。犯罪予告であるというだけでは2ちゃんねるでの削除基準に触れることはなく、証拠保全すべきものとして扱われているため、犯罪予告を削除依頼してもまず削除されることはない。だが、監視が頻繁に行われている一部の板では、管理人が犯罪予告と判断したスレッドを強制的に停止するという措置もとられている[要出典]。
その後は秋葉原通り魔事件を受けて、2008年にサービスを開始した予告.inに通報・自動通報されることで、ある程度は抑制・逮捕することが可能になった[要出典]が、完全な撲滅にはほど遠い状況が続いている。
さらに、デマや悪意のある書き込みで企業が不利益を被らないよう、それらの監視を専門とする部署を設け、監視を外部に委託する企業が大企業を中心に増えているとも言われており[誰によって?]、実際に大手広告代理店の電通がガーラと業務提携し、掲示板の自社に関する書き込みを監視・通報するASPサービス「電通バズリサーチ」を顧客企業に有償で提供している(月額100,000円(消費税別)/1クライアント)。これらの2ちゃんねるを使ったサービスの提供により利益を得ることは、ユーザーや運営側も当初から問題視されており、2005年ごろにはトップページの下部にそれに対する注意を喚起する記載があった。
また、パソコンが遠隔操作され4人が誤認逮捕されたパソコン遠隔操作事件では、2ちゃんねるが遠隔操作ウイルス感染のきっかけとなった。警視庁などの合同捜査本部は2012年11月26日、書き込みなどに使われたインターネット掲示板、「2ちゃんねる」の関連先とされた会社への家宅捜索で、有料会員のデータや投稿マニュアルなどを差し押さえた。捜索は2012年8月9日、2ちゃんねるに東京都江東区で開かれたイベントをめぐり「コミケで大量殺人」と殺人予告が書き込まれたことで会場警備が強化された。2ちゃんねるへの一連の書き込みは送信元を特定されないように匿名化するソフトが使われていたが、一度だけソフトが使われていない可能性があることが判明した。
少年・児童に対する教育上の問題
キッズgooなどの一部の子供向け検索サイトではフィルタリングされており、フィルタリングソフトでは「掲示板」カテゴリに入っている。
2007年2月にWebフィルタリング業者が発表した調査によると、「小・中学生の2ちゃんねる利用率は12.2%」[信頼性要検証]という結果が出ており、すでに小・中学生の1割以上が「2ちゃんねらー」であるとする統計がある[要出典]。
学術研究の公正性への貢献
医学等の学術論文における捏造疑いの指摘が2000年ごろから生物板で持続的になされている。多くの書き込みが問題の本質を突いていると評価する文献もある。2ちゃんねるでの指摘が契機となり懲戒解雇などの処分をされた大学教員は多数存在する(詳しくは11jigenや匿名Aによる論文大量不正疑義事件を参照)。
社会の反応
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好意的な利用法
2ちゃんねるはありとあらゆるテーマの掲示板がジャンルを問わず存在し、交換される情報は非常に多種多様である。消費者や技術者などが商品・サービス・技術などに関する情報を交換するCGMサイトとして利用されている板や、学問上の議論に利用される学問カテゴリもある。 しかし、それらが厳密な意味で「公正で偽りのない情報交換の場」、あるいは「明確な目的を持った学術的な討議の場」として正確に機能しているとは言いがたく、利用者の良識に委ねられている。
また、学問的な貢献の例としては、韓国の黄禹錫によるヒトの胚性幹細胞(ES細胞)の捏造の発見に、韓国の掲示板とともに貢献した(2005年12月)ケースがあり、福岡大学のNTPサーバへのアクセス集中問題の公表・解決に貢献したこともある(2005年1月)。
災害時などには情報蓄積・提供サイトとしても利用され、2004年10月の新潟県中越地震では、Yahoo!掲示板や地震情報まとめサイトなどとともに個人レベルを中心とした情報提供に活用された。地震速報板などの地震専用板も常時開設されている。
否定的・批判的評価
2ちゃんねるは「便所の落書き」と言われることが多々ある。たとえば、2001年8月12日に東京・渋谷の株式会社アスキー本社で開催された「アスキーの西氏が取締役を退任」スレッドのオフ会で、西和彦は「2ちゃんねるは便所の落書きみたいなものだ」と、オフ会に参加していた管理人(当時)であったひろゆきの前で語っている。この呼び名は2ちゃんねる内でも利用されることがある。
2ちゃんねるは、「あやしいわーるど」や「あめぞう」など、それ以前から存在する同種の掲示板利用者から嫌われる傾向にあり、「痰壺」(たんつぼ)などと呼ばれることがある。開設者のひろゆきは、それをブラックジョークとして、2ちゃんねるのトップページに「壷」を表示した。
政界と2ちゃんねる
政党レベルでは、2000年5月10日に民主党の菅直人が、自らを騙った人物のものと思われる「民主党の菅直人からみなさまにお願い」という書き込みを削除するよう、弁護士を通じて2ちゃんねるに通知書を送付している。
2007年の自由民主党の総裁選後に麻生太郎は、「自分は2ちゃんねるにたまに書き込む」と語っている[要出典]。
選挙の時期が来るたびに又吉イエスやマック赤坂を応援する内容の書き込みが多く投稿されるが、書き込みの大半は面白半分によるものなため、票にはまったく結びついておらず、一度も当選したことはなく落選し続けている[要出典]。また特定の政治家や企業などのイメージダウンを狙った意図的なデマも頻繁に書き込まれており、与野党を問わず政党を中傷する怪文書的な書き込みも多く投稿されている。選挙のシーズンになるとこの傾向は一層に強くなる傾向にある。
メディア
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日本のマスメディアにおいて、各種メディアで「インターネットの掲示板で」と報じられた場合は、2ちゃんねるを指していることがある[要出典]。ただし、2ちゃんねる以外の電子掲示板のことを指している場合も当然存在する。
また、2004年以降、テレビ番組でも2ちゃんねるや2ちゃんねらーが取り上げられるケースが増えてくるなど、一般的な2ちゃんねるのイメージが変わりつつあるとされる(ただし、必ずしもよいイメージとは限らない)。TBS系「Pooh!」やフジ系「EZ!TV」などの番組で紹介されるとともに、ハンドルネームを名乗って利用する者が顔出しで登場し、その度に実況板は利用者過多によりサーバが停止するほどの(祭り)になった。また、芸能人が2ちゃんねるを利用していることを公言することがある。青木さやか、長井秀和、南野やじなどのお笑い芸人がネタとして用いたり[要出典]、品川庄司の品川が自身を「つまらない」と書かれた際「そんなことないよ、品川庄司おもしろいよ」と書き込んだら「コイツ品川っぽくね?」と書かれたことを「行列のできる法律相談所」で明かしたり[要出典]、爆笑問題が自身のアスキーアートを褒めたりするケースもある[要出典]。
すべてがそうではないが、芸能リポーターや夕刊紙、週刊誌が芸能ネタを探すのに利用していることもあり[要出典]、それを逆手に取って架空の交際ネタや交際写真を捏造しリポーターなどに掴ませ、笑い物にしている例もある[要出典]。特にアナウンサーがらみの交際ネタが多いとされ、アナウンサーの顔写真をポルノ画像に合成したアイコラ画像が2ちゃんねるから多く出回っており、そのことがテレビ局主催イベントでの過度の撮影規制の原因になっていると一部で言われている[要出典]。
論壇誌『諸君!』の「麹町電網(インターネット)測候所」は、ほぼ毎号2ちゃんねるを中心にした内容であり、2ちゃんねるの紹介を図っている[要出典]。後述する他のサイトなどの反応の政治系サイトと類似している。『週刊文春』は近い観点で批判することもあるため、新潮社と同様に関係は良好とされることがある[要出典]。
毎日新聞は2007年1月1日に特集連載「ネット君臨」の第1部「失われていくもの」で、2ちゃんねらーの囃し立てた「死ぬ死ぬ詐欺」を、「難病児募金をあざける『祭り』」と題して紹介した。赤報隊事件を賛美し時効を喜んだ書き込みなども取り上げたが、2ちゃんねる自体への批判ではなく、社会現象として取り上げた[要出典]。しかし、奈良小1女児殺害事件などに関する犯罪報道では、確たる証拠もなく2ちゃんねらーが犯人ではないかと疑わせる報道を行うこともあった[要出典]。
メディアが何気なしに報道したものが2ちゃんねる内で爆発的に定着したものもある。「ニート」などがその代表例で、フジテレビ系「情報プレゼンター とくダネ!」でニート特集をした際、映っていた人物の顔や発言が極めて特徴的かつ自然的だったので、その人物のアスキーアートが作られ、顔部分がほかのものに差し替えられた変造版も含めて、瞬く間に2ちゃんねる中に定着していった[要出典]。
2ちゃんねると冷笑主義―CHANカルチャーの世界展開
2ちゃんねるは、4chanや8chanなど海外の匿名掲示板文化「CHANカルチャー」の原初にもなった。このような日本発の匿名掲示板文化が日米で流行した理由について、アメリカ合衆国のニュースサイトは、90年代以降の低迷を続ける社会経済とオタク・コミュニティの台頭が背景にあるとして次のように総括した。
2ちゃんねるという名に何となく聞き覚えがあるとしたら、それは物議をかもすアメリカの画像掲示板・4chan、そしてその精神を受け継いだ8chan(現在は8kunに改名)に名が似ているからだろう。〔……〕東浩紀によれば、オタク・コミュニティの台頭は、インターネットが広く商業化された90年代日本特有の政治・経済状況の副産物だ。第二次大戦後の急激な再建と経済成長は「終わりなき資本主義の発展」という夢物語を生み出した。〔……〕この傲慢な楽観はバブル崩壊で消え去り、結果引き起こされた重度の不況と景気低迷による「失われた10年」(または20年)で実質賃金も低下する。失われた10年のあおりを一番食らったのは若者で、終身雇用モデルも破壊された。〔……〕
1995年にはオウム真理教による地下鉄サリン事件、そして巨大な阪神・淡路大震災の2大悲劇に襲われ、国民の士気がさらに低下した。オタクが占めるオンライン空間で繰り広げられるのは嫌みな皮肉と冷笑主義で、彼らは掲示板の持つ共同体としての側面に夢中になった。〔……〕
終わりなき発展物語(引用者注:ジャン=フランソワ・リオタールが1979年に著した『ポストモダンの条件』において提唱した「」のこと。戦後民主主義と高度経済成長に支えられた、社会全体で共有される統一的な価値観を指す)の崩壊と開いた穴を埋めるため、フィクションやネット・ミーム、内輪ジョークで成り立つ空間へと避難したのだ。
2ちゃんねるの背景にある、現代日本のサブカルの特徴として、反リベラル主義が挙げられる。戦後、1960年代より兵器のプラモデルなど戦闘サブカルチャーが流行し、その系譜は『宇宙戦艦ヤマト』『機動戦士ガンダム』『新世紀エヴァンゲリオン』などへ脈々と受け継がれていく。また、日教組教職員への反発もあり、ナチス要素も取り入れるなど、戦争に関して戦後民主主義と違う価値観を描いていたサブカルチャーに若者は心酔した。さらに小林よしのりや山野車輪など、反戦後民主主義を漫画表現で訴える者も現れ、それぞれヒットを飛ばすなど、サブカルチャーが右派と接近。「アニオタ保守本流」として保守論壇で注目され、後に転向した古谷経衡も架空戦記に熱中したことが保守論壇入りのきっかけだったという。
リベラルは彼らの世直しのエネルギーを回収することに失敗した。対照的に、自民党の麻生太郎は(彼がオタクであったかの真偽は疑問であるものの)メディア戦略により、2000年代に2ちゃんねらーをはじめとしてオタク層との関連付けに成功。2010年代を経て、サブカルチャーの右傾化は決定化し、ナショナリストの右翼雑誌『ジャパニズム』(青林堂)にアニメ絵が用いられたり、SNSで保守的発言をするオタク産業文化人が台頭するなど、秋葉原=右翼の街というような認識すら目立つようになった。
時期を同じくして、2010年代には「アメリカ版ネット右翼」といわれるオルタナ右翼が、2ちゃんねるから分派した4chanや8chanの非ポリコレ板「(/pol/)」で台頭した。オルタナ右翼は政治的なコラージュを施したアニメ絵をインターネット・ミームとして拡散するなど、日本のオタク文化やネット右翼とも親和性が高い。ライターの常川拓也は、4chanのような匿名掲示板が過激な思想をまき散らす有害なプラットフォームになっているとして次のように論じている。
政治の二極化、陰謀論、ヘイトスピーチ、不寛容、反知性主義──アメリカ現代社会に起こっているこのような事態は、インターネットの匿名掲示板「4chan」(日本のふたば☆ちゃんねる/2ちゃんねるに由来する)の文化=CHANカルチャーの影響が根本にあると本作(引用者注:4chanとカエルのペペのドキュメンタリー『フィールズ・グッド・マン』)は分析する。4chanは、鬱屈した感情を抱えた若者の受け皿となり、日常では決して表立って言えなかったはずの極端な思想を醸成した。4ちゃんねらーは疎外感や絶望を表すためにミームを作成したが、いつしかそれは、ニヒリズムや暴力を呼びかける道具ともなった。
一般的に、ネット上では匿名性が高くなると悪意が強くなり、反社会的な振る舞いを隠さなくなりやすい(オンライン脱抑制効果)。能町みね子は、建前や偽善を徹底的に嘲笑する「2ちゃんねる」と「鬼畜系」の親和性について次のように指摘した。
いわゆる鬼畜系は私は知ってはいたけどあまり入り込むことはなくて、若いときの私にとっての鬼畜・悪趣味カルチャー(?)といえば2chだったなと思う。天皇制すらネタにして、乙武さんを酷い言葉でおちょくり、平然と弱者を罵倒するモラルのない空間は正直言って当時は嫌悪感とともに魅力も同じ強さで迫ってくる場所だったと思う。その後、私はさすがに荒れ狂うネットのインモラルさとはさすがに一線を引くべきだというごく当然の結論に行き着いたけど、2ch〜5chの不道徳も主にリベラル的な「いい子ちゃん」への反抗として存在しているわけで、もし鬼畜系悪趣味カルチャーがバブル的イケイケ文化への反抗だとするなら、2ch系カルチャーもリベラル的お利口さん文化への反抗で、この2つの当事者は「虐げられた者の反抗」のつもりでいるところが結局同じ。後者はそのままネトウヨ・陰謀・Jアノン(引用者注:Qアノン/オルタナ右翼の日本版)につながって肥大してしまいました。 — 能町みね子のツイート(2021年7月22日)
一方、ライターの御田寺圭は、ひろゆきが冷笑主義の親玉という見方に対し疑念を呈している。
当人たちはすっかり忘れてしまっているようだが、これまでさんざん「敵」に向けて冷笑的な態度を向けてきたのは「リベラル派」であった。保守派が大切にしていた価値規範や文化や慣習を「たかだか明治以降にはじまったものを伝統って呼ぶんですか?(笑)」とか「それってなにか根拠あるんですか?(笑)」と嘲笑まじりに批判することを、かれらも盛大に楽しんできたはずだ。自分たちが放ってきた「冷笑」は芯を食った当意即妙な風刺的批判表現だが、相手から「冷笑」が撃ち返されたらそれは悪質な差別煽動や体制擁護の二次加害というのは、いくらなんでも調子が良すぎるというものだろう。
〔……〕
批判的に言語化してきた人びとを「冷笑系」「差別主義者」「分断を煽る」「ミソジニスト」「ポピュリスト」などと対人論証で糾弾し(ときには仕事を失わせる、キャンセル・カルチャーを煽り立てるなどの過激な手段に出て)、自分たちの社会正義を「絶対化」する道を選んでしまった。
その末路がいまである。
ポスト・トゥルース時代における言語ウイルス、そして新反動主義へ
鬼畜系の創始者であり総体でもあった村崎百郎は、生前最後のインタビューで、ウィリアム・バロウズの言語ウイルス論を用いて、2ちゃんねるに懐疑的立場を取った。
2ちゃんに代表されるものこそ、バロウズの言ってた「言語ウイルス」が悪意をもって活発な活動を展開する拠点だと思うんだよね。「言語ウイルス」はひたすら言語を消費させればいいんだから。そこにはただ消耗しかない。だからオレはあまり入れ込めないんだよね。単に生存時間を削られているだけ、って感じがするでしょ? バカが使ったらネットに使われているだけになるんだよ。
文筆家の木澤佐登志も、バロウズの座右の銘「(真実などない。なにもかも許されている)」を言語ウイルス論と共に引用し、ポスト・トゥルース時代におけるフェイクニュースの拡散、そして啓蒙主義や民主主義へのアンチテーゼとして登場した、新反動主義=加速主義=暗黒啓蒙の台頭を次のように論じた。
新反動主義も加速主義もミームも等しくハイプ(Hype)でしかない。だが、そうしたハイプはハイパースティション(Hyperstition)として世界に介入し、この現実を改変していく。〔……〕ならば、ウィリアム・バロウズこそはハイプの、いや、ハイパースティションの帝王であると言えよう。〔……〕バロウズによれば言語とは地球外から送られてきたウィルスであって、それは人間という宿主に寄生して言語ウィルスのコントロール下に置くのだという。もちろんバロウズは、そこからの解放を目指していた。〔……〕さらに、バロウズはテクノロジーによって我有化した言語ウィルスを、暴動を起こし、暴動をエスカレートさせるための最前線用武器としても利用できると見抜いていた。〔……〕「Nothing is true. Everything is permitted」(真実などない。なにもかも許されている)──このバロウズの座右の銘はしかし、ポスト・トゥルースと呼ばれる現在でこそより重要な意味を持って木霊する。あるいは、バロウズは現在インターネット上で蔓延しているフェイク・ニュースやミームの台頭を予見していたと言えるだろうか。もちろん、「コントロール」のヘゲモニーを奪取したのは、必ずしも自由を求める闘士ではなかったことを現在生きる私達は知っている。
今やオルタナ右翼はフェイク・ニュースを操り、イデオロギーを伝達するミームをウィルスのように拡散させている。革命は起こらず、代わりにトランプを戴く新たな反動の時代が訪れていた。 — 木澤佐登志「コントロールという敵──バロウズの愛したキツネザルたち」(晶文社スクラップブック/2019年6月4日)
このような事態を招いた理由として、政治の機能不全による自由民主主義の失速が背景にある。リベラル層への反感は、そのままリベラル的な価値観とエリート(マスコミや学者など既得権益者)の否定につながり、2010年代後半には、排外主義的な右派ポピュリストやオルタナ右翼の台頭を招いた。さらにこの流れは、鬼畜系雑誌『危ない1号』でも提唱された「正義や真実、普遍的価値など本当は存在しない」というシニカルな相対主義をより加速させた。客観的事実よりも個人の感情や思い込みへの訴えかけのほうが、世論の形成に影響力を与えるような社会状況は、ポスト・トゥルース(ポスト真実)と呼ばれている。
ドイツの哲学者であるマルクス・ガブリエルいわく「ウイルスには、自然種としてのウイルスと、精神(の生み出す虚構/虚妄)としてのウイルス(=言語ウイルス)があり、そのいずれもが社会に影響を与えるだけの実在性を備えている」という。またガブリエルは、言語ウイルスを地で行くような流言飛語にもとづき、自明の真実すらも否定するポスト・トゥルースと、その根幹をなすポストモダン的な相対主義について「間違っているというだけでなく、民主主義にとって非常に危険な考え方」「真実がいくつも存在するという相対主義の見方は、事実に直面するのを避けるための言い訳に過ぎない」と厳しく批判した。マルクス主義の立場から政治哲学者の斎藤幸平も「相対主義に従えば、他者と互いに理解し合うことなどはできない、それぞれ、分断された世界に住んでいるのだということになる」「相対主義者は『他者性』(文化・価値観の違い、よその伝統など)をつくり上げることによって、自分が見たいものだけを見ている」と一蹴した。
日本発祥の匿名掲示板文化(=CHANカルチャー)によって育まれたオルタナ右翼、トランプ支持者、QAnon陰謀論者ら(イタリアゲート陰謀論など選挙不正のデマを広げた)が、アメリカ合衆国議会議事堂を襲撃・占拠したのは、2021年1月6日のことである。
脚注
注釈
- ^ 2ちゃんねる内に設置された個々の掲示板ごとに、充分な数の削除対応者(削除人)が割り当てられていないことが原因の一端であるとされるが、技術的にもまた独自の 2ちゃんねる削除ガイドライン(5ちゃんねる削除ガイドライン) のフォーマットを満たさないと削除対象の特定など作業が遅延するなど支障が出るためでもある。[独自研究?][要出典]
- ^ 「はちま起稿」「オレ的ゲーム速報@刃」「やらおん!」など。
- ^ 2ちゃんねるに書き込みを行うウイルスがあり、一時は掲示板の機能が麻痺することもある。このウイルスの対策のため同人板など一部の掲示板では名無しで書き込むことが出来ない。
- ^ なお、1,000回目に書き込みが殺到した場合は1,001番目や1,002番目まで延びることもある。酷いときには1,010番目台以降に突入することもまれにある。2010年現在の記録では「不滅 一人で暴言 はにゃ〜ん スレッド」の持つ16,658レスが最多とされるが、これは1,000回投稿制限が付く前のものである。
- ^ 巨大アスキーアートなどをいくつも貼り続けることで容量オーバーに追い込み、書き込みをできなくする
- ^ 2012年5月現在は「[【3.11】 その時2ちゃんねるは…」「【看過できない】集めればいいんだろ?コンプガチャの実態とは、★2」が存在。他にも一部の人間以外スレッドが立てられない掲示板が存在。
- ^ 2ちゃんねるでは固定ハンドルに対する「叩き(集団による中傷)」が横行しており、標的にされた利用者は酷い場合は数年にもわたって中傷され続けることがある。固定ハンドル叩きはスレッドや板本来の趣旨から逸れていってしまうことが多く、結果的に荒らすことが可能になるため、2ちゃんねる開設当初からユーザーより問題視されていた。この対策のため運営側は比較的初期から(旧)キャップ制度を設けて固定ハンドルを他人が騙ることを防止させた。また逆に固定ハンドルを名乗ったり目立つ書き込みを名無しで行い、一方では他人を装った名無しで自作自演により前者を構うことによってスレッドを荒らすことも横行していた。この防止のためにID制度が導入された(板の設定による)。これでもスレッド荒らしのために固定ハンドルを名乗ったり、固定ハンドルを叩くことが横行しているため、運営側は固定ハンドルに対する中傷を書き込むことを目的とした最悪板を設け、固定ハンドルを叩くのを最悪板以外では禁止した。
- ^ 「復帰屋魂@運用情報 〜復帰屋の連絡・相談スレ〜」で、名称決定などのやりとりが行われた。
- ^ そのことを逆手にとって負荷試験を実際の運用で行うこともあるが、この実験結果は2ちゃんねるのサーバ群を構成するFreeBSDの安定性・耐久性向上に貢献している側面がある。特に6.1のSMP関係のバグは2ちゃんねるの運用から発見されている[要出典]。ただしこれが実際にFreeBSDプロジェクトに反映されたかどうかは不明。当該実験場はex*.2ch.netに属する板が対象となる。
- ^ 特に関連企業のガーラバズ。2012年5月31日付でガーラバズは株式会社 ホットリンクと経営統合したのち、同年10月1日付で合併。
- ^ 2004年5月31日の京都新聞「「Winnyの衝撃(5) 匿名ネットと著作権 京都の文化財、デジタル化で標的に」記事中において、ファイル共有ソフトによる著作権侵害の例として高山寺(京都市右京区)の鳥獣戯画が例示されたことに対し、日本の著作権法上は、著作権の存続は著作者の死後50年を経過するまでであるとする規定を前提に、運営によって「ただいま、猛烈な勢いで著作権侵害中」「京都の人、寿命長すぎ!」と、痛烈な皮肉を込めてトップページに『鳥獣戯画』の画像が掲載された。
- ^ 壷の画像は、イベントや各種出来事に連動して変わることがある。例えば、新潟県中越地震発生時は、被災者救援のために使い捨てカイロを差し出したモナー(マスコットキャラクター)を大きく表示し、壷は小さくなっていた。過去には鳥羽僧正の『鳥獣人物戯画』などが使われた。auの携帯電話「PENCK」のフォント無断使用疑惑が浮上していた時期には、同商品を皮肉った画像を表示したこともある(KDDI側は、後日フォント無断使用を認めて謝罪した)。2005年9月に発生したのまネコ問題以降は、FLASHで表示されている壺をマウスのカーソルで触れると、モナーが壺を守るかのように出てきていた。しかし、個人情報を公表されたユーザー(後述)が2ch(正確には当時の2ちゃんねる管理人であった西村)を訴えたことによる閉鎖騒動が起こっていた時、壺には「この壺を損壊し、または無効にしたものには刑法第96条により処罰されます。賠償金滞納差押物件 赤羽地方裁判所」と書いた赤い紙が張ってあった。しかし、赤羽地方裁判所は実在しない。現在、赤紙は撤去されている。
- ^ ただし爆笑問題の太田光は2ちゃんねらーについて、人を攻撃するのは卑怯であるとの旨を述べており、2ちゃんねる全体を肯定しているわけではない。
- ^ a b 「新反動主義」あるいは「暗黒啓蒙」は、欧米のブログ圏を中心に広まった思想運動であり、リベラルなポリティカル・コレクトネスに対する強烈なカウンターを主な特徴とする。2012年には、哲学者のニック・ランド(加速主義の理論的支柱)が啓蒙主義へのアンチテーゼとして「暗黒啓蒙」を提唱し、後続のオルタナ右翼にも間接的な影響を与えた。
- ^ a b 言語ウイルス論=人間は無意識のうちに、宇宙から飛来した「言語」に寄生され、マインドコントロールされているという考え方。ウイルスが他の生命の遺伝子に入り込んで増殖するように、言語もまたメディアを仲介し、世界中の人間の身体に伝播・憑依するという構図に由来する。言語ウイルス論はウィリアム・S・バロウズが1964年に発表した小説『ノヴァ急報』の中で展開したもので、その毒性を解消する試みとして言語を解体する「カットアップ」という文学技法も登場した。言語ウイルスの典型例として、マスコミによる思想の刷り込み、洗脳、情報戦、プロパガンダ、相対主義、権威主義、テロリズム、ファシズム、排他的ナショナリズム、インターネット・ミーム、ヘイトスピーチ、ネット右翼、オルタナ右翼、ポストトゥルース、Qアノン陰謀論などが挙げられる。特に1990年代以降はパソコン通信やインターネットの急速な普及によって、玉石混交の情報が従来以上に高速かつ膨大に流通するようになっており、高度情報化社会における「言語ウイルス」といかに向き合うべきか、という哲学的・倫理的な考察も成されている。村崎百郎は言語ウイルス論を引き、言語の持つ落とし穴について次のように警鐘を鳴らした。「どうか言語ウイルスどもの巧妙な罠に気づいてくれ! 奴らの正体は自分たちを使用する全ての人間に寄生して、世代を超えてその身体を拡張し続ける極めて特殊な疑似生命だ。彼らの希薄な身体と支配力は、彼らを使用する人間の数にかかっている。そのため彼らはできるだけ多くの人間に取り憑き支配しようと、自分が取り憑いた民族を刺激して他民族に対して侵略をしかけるのだ。歴史をひもとけば、侵略に成功した側の民族が征服民に自分達の宗教や言語を強いる例はいくらでもある。“神”はことばであり、同時に言語ウイルスなのだ」という言説は、一九七七年の秋以降、俺の頭に二十九日周期でやってくる電波特有のものだが、この種の妄想は記録によれば一九世紀後半のヨーロッパでは道端に転がる糞ぐらいにポピュラーなものであったというから、そもそもキチガイの妄想には所詮大したオリジナリティーなど皆無なのだ。とどのつまり、バロウズの言語ウイルス論から我々が学ぶべきは、「我々の使用する言語の中には“言語ウイルス”という言葉に象微されるような致命的な欠陥が存在する」ということだ。我々の日常のコミュニケーションの中でも、伝えたいことが何ひとつ相手に伝わらず、つまらない悪意ばかり増幅して伝わってしまうことは良くあることだろう。最も伝えたいことが相手にさっぱり伝わらないもどかしさを感じて言葉につまった経験はないか? それは何も“ボキャブラリーの貧困”ばかりが原因ではない。コミュニケーション・ツールとしての“言語”がもつ不完全性と、そこから生じる“悪意”をつねに意識しながら注意深く言語を使用すること──それこそが、我々意識ある人類が陥った“言語の拘束”から解き放たれるための第一歩なのだ。全ての言語が、発生したその瞬間に、嘘もつける“詐欺の手段”としての機能をも同時に合わせ持った“両刃の刃”であることを忘れてはいけない。
出典
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- ^ 村崎百郎インタビュー「今こそ『鬼畜』になれ! 『アングラ/サブカル』が必要なわけ」INFASパブリケーションズ『STUDIO VOICE』2006年12月号特集「90年代カルチャー完全マニュアル」pp.70-71
- ^ 「自由民主主義」の混迷―国際社会は何をすべきか - 国際情報ネットワークIINA 笹川平和財団(2020/3/4)
- ^ マルクス・ガブリエル他『未来への大分岐―資本主義の終わりか、人間の終焉か?』集英社〈集英社新書〉2019年8月、32-33頁。
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- ^ マルクス・ガブリエル他『未来への大分岐―資本主義の終わりか、人間の終焉か?』集英社〈集英社新書〉2019年8月、135-137頁。
- ^ 独哲学者マルクス・ガブリエルの思想は過大評価か? 福嶋亮大が『新実存主義』を読む - リアルサウンド 2020年2月25日
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- ^ HBO『Q: Into the Storm』Episode6「嵐の中へ」2021年4月4日放送
参考文献
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- 2ちゃんねる(監修) 『2ちゃんねる公式ガイド2004』 コアマガジン 2004年1月7日 ISBN 978-4877346744
- 2ちゃんねる(監修) 『2ちゃんねる公式ガイド2006』 コアマガジン 2006年5月12日 ISBN 978-4877349103
- 2ちゃんねる(監修) 『2ちゃんねるのウラオモテ超入門』 マイウェイ出版 2003年2月20日 ISBN 978-4901716581
- 2典プロジェクト 『2典 〜2ちゃんねる辞典〜』 バーチャルクラスター 2002年5月1日 ISBN 978-4835440330
- 2典プロジェクト 『続2典 【続2ちゃんねる辞典】』 バーチャルクラスター 2003年10月 ISBN 978-4835440620
- 2典プロジェクト 『2典 第3版』 宝島社 2005年8月13日 ISBN 978-4796647540
- 2ちゃんねる,まるへそ太郎(監修) 『2ちゃんねる AA大辞典』 ソフトバンククリエイティブ 2003年3月7日 ISBN 978-4797322750
- 鈴木淳史 『美しい日本の掲示板』 洋泉社 2003年6月21日 ISBN 978-4896917369
- 前川徹、中野潔 『サイバージャーナリズム論-インターネットによって変容する報道-』東京電機大学出版局 2003年10月25日 ISBN 978-4501620301
- 井上トシユキ 『2ちゃんねる宣言―挑発するメディア 増補版』 <文春文庫PLUS> 文藝春秋 2003年12月10日 ISBN 978-4167656867
- 井上トシユキ 『カネと野望のインターネット10年史―IT革命の裏を紐解く』扶桑社 2007年6月1日 ISBN 978-4594053864
- 哭きの竜 「真ザ・バトルウオッチャー・ロワイアル R4:電網英雄伝説〜立国篇〜」 『B-GEEKS vol.4』 2002年2月1日 三才ブックス pp.112-113
- ハッカージャパン(編) 『2ちゃんねる中毒』 白夜書房 2002年7月10日 ISBN 978-4893677815
- ばるぼら 『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』翔泳社 2005年5月10日 ISBN 978-4798106571
- ひろゆき 『元祖しゃちょう日記』 講談社 2004年10月 ISBN 4-06-212646-X
- 西村博之 『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』 扶桑社 2007年7月1日 ISBN 978-4594053888
- ひろゆき 『僕が2ちゃんねるを捨てた理由 』扶桑社 2009年6月1日 ISBN 978-4594059521
関連文献
関連研究
- 畦地真太郎、松村憲一 「匿名コミュニティにおける対人認知」 独立行政法人通信総合研究所 『第3回AI若手の集い MYCOM2002 オンライン資料集』 (2002)
- 石坂達也、山本和英 「2ちゃんねるを対象とした悪口表現の抽出」 『言語処理学会 第16回年次大会 発表論文集』 2010年3月
- 伊藤昌亮「ネットに媒介される儀礼的パフォーマンス」『マス・コミュニケーション研究』第66巻、日本マス・コミュニケーション学会、2005年、91-110頁、CRID 1390001206099571584、doi:10.24460/mscom.66.0_91、ISSN 13411306。
- 伊藤昌亮『ネット右派の歴史社会学 アンダーグラウンド平成史1990-2000年代』青弓社、2019年8月14日。ISBN 978-4787234582。
- 内山弘「ネットの日本語 -2ちゃんねるとニコニコ動画を中心に-」『地域政策科学研究』第7巻、鹿児島大学、2010年3月、219-236頁、CRID 1050001338886240256、hdl:10232/9438、ISSN 1349-0699。
- 柏原勤「「2ちゃんねるスレッドまとめブログ」によるニュース・コミュニケーションに関する一考察」『哲學』第128巻、三田哲學會、2012年3月、207-234頁、CRID 1050001338946789120、ISSN 0563-2099、NAID 40019302005。
- 工藤浩「「2ちゃんねる」の挑戦あるいは挑発」『人間関係学研究 : 大妻女子大学人間関係学部紀要』第7号、大妻女子大学人間関係学部、2006年2月、41-49頁、CRID 1520572359409530624、ISSN 1345496X、NAID 110003482207。
- 國領二郎 「ネット上における消費者の組織化− そごうに対する不買運動の事例から−」『ITME ディスカッションペーパー』 東京大学経済学部, 2001年3月
- 内藤小子 「匿名掲示板コミュニティの可能性――「2ちゃんねらー」の折り鶴14万羽 折らないかプロジェクトから――」同志社大学 2003年度卒業生卒論
- 平井智尚「2ちゃんねるのコミュニケーションに関する考察 : インターネットと世論形成に関する議論への批評」『メディア・コミュニケーション : 慶応義塾大学メディア・コミュニケーション研究所紀要』第57巻、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所、2007年3月、163-174頁、CRID 1050001337393012736、ISSN 1344-1094。
- 平井智尚「インターネットにおける「ブログ炎上」に関する一考察 : コミュニケーション状況を取り巻く規範の概念を手がかりとして」『慶応義塾大学大学院社会学研究科紀要 : 社会学心理学教育学 : 人間と社会の探究』第64巻、慶應義塾大学大学院社会学研究科、2007年、49-60頁、CRID 1050282812381521664、ISSN 0912-456X、NAID 120002165272。
- 松田謙次郎 「ネット社会と集団語」 『日本語学』 25(10), 25-35, 明治書院 2006年9月
- 大澤幸生, 松村真宏, 中村洋「フレーミングは議論を阻害するか:2ちゃんねるは何故面白い?」『電子情報通信学会技術研究報告= IEICE technical report : 信学技報』第102巻第143号、電子情報通信学会、2002年6月、55-60頁、CRID 1520572357796420352、ISSN 09135685、NAID 110003173416。
- 松村真宏、柴内康文、西村博之、三浦麻子 「2ちゃんねるにおけるコミュニケーションの時系列解析」 『第4回AI若手の集い MYCOM2003 オンライン資料集』, 2003
- 松村真宏, 三浦麻子, 柴内康文, 大澤幸生, 石塚満「2ちゃんねるが盛り上がるダイナミズム」『情報処理学会論文誌』第45巻第3号、情報処理学会、2004年3月、1053-1061頁、CRID 1050282812860484736、ISSN 1882-7764、NAID 110002712154。
- 松本恭幸 「『2ちゃんねる』におけるジャーゴン」 『月刊言語』vol.32 no.2 大修館書店 2003年2月 pp.78-79
関連書籍
- 『思い出に残る食事』(西村博之 バジリコ 2003年8月8日)ISBN 4-901784-22-6
- 『2ちゃんねるVOW―逝ってよし!』 (宝島社 2003年7月)ISBN 4-7966-3481-9
- 『激しく同意!!―2ちゃんねるVOW (5)』(宝島社 2004年7月2日)ISBN 4-7966-4201-3
- 『仕事に使える2ちゃんねる―誰も教えてくれなかった読み方・探し方』(中井紀之 インプレス 2004年9月)ISBN 4-8443-2029-7
- 『電車男』(中野独人 新潮社 2004年10月22日)ISBN 4-10-471501-8
- 『泣ける2ちゃんねる』(コアマガジン社 2004年2月)ISBN 4-87734-675-9
- 『泣ける2ちゃんねる (2)』(コアマガジン社 2005年3月)ISBN 4-87734-816-6
- 『痴漢男』(板野住人 双葉社 2005年4月)ISBN 4-575-29795-X
関連雑誌
- 『2ちゃんねる大攻略マガジソ』<GEIBUN MOOKS> vol.1-2 2002年1月10日 - 2002年4月11日 芸文社
- 『netbum』vol.1-6 2002年 - 2003年 大洋図書
- 『2ちゃんねるぷらす』vol.1-11 2003年3月22日 - 2005年1月17日 コアマガジン
関連項目
- 2ちゃんねるの歴史
- 2ちゃんねるの板の一覧
- 西村博之 / ジム・ワトキンス / ロン・ワトキンス
- 2ちゃんねらー / アスキーアート
- 電子掲示板 / 匿名掲示板 / スレッドフロート型掲示板
2ちゃんねる関連の主な事件
- 東芝クレーマー事件(1999年) - あめぞうに代わり2ちゃんねるが台頭する契機となった
- スマイリーキクチ中傷被害事件(1999年)
- 西鉄バスジャック事件(2000年)
- のまネコ問題(2005年) → パソコン遠隔操作事件(2012年)
- 2ちゃんねる個人情報流出事件(2013年)
問題点
- まとめサイト
- 炎上 / ネットいじめ / サイバーカスケード / 自作自演((ソックパペット))
- デマゴギー / なりすまし / ステルスマーケティング
- コンピュータウイルス - 多数のウイルスが2ちゃんねるを媒介に伝播した
- 暴露ウイルス(Antinny / 山田ウイルス / 原田ウイルス / 山田オルタナティブ)
- ファイル共有ソフト(Winny / Share)
- ブラウザクラッシャー
類似する掲示板
- あやしいわーるど - インターネット上に構築された電子掲示板の源流
- あめぞう - 2ちゃんねるの前身
- ふたば☆ちゃんねる
- したらば掲示板
- 2ちゃんねるの外郭掲示板
- PINKちゃんねる - 成人向け掲示板
- 2ちゃんねるを模した掲示板
- 1ch.tv(閉鎖)
- 16ch.net(閉鎖)
- Megabbs(閉鎖)
- 2ちゃんねるから派生した掲示板
- まちBBS - 地域別掲示板
- 2ch.sc - 2014年に西村博之が開設
- おーぷん2ちゃんねる - 2012年に矢野さとるが開設
- Talk (掲示板) -2023年に開設[要出典]
- 動画共有サイト
- ニコニコ動画
- 匿名掲示板(日本以外)
- サムシング・オーフル - 4chanの前身。
- 4chan - 創設者がふたば☆ちゃんねるに影響されて開設。後に2ちゃんねる創設者のひろゆきが管理者に就任。
- 7chan - アノニマスの生息地
- 8chan(現・8kun) - 創設者が4chanの代替として開設。後に5ちゃんねる運営のロン・ワトキンスが管理者に就任。
- 55chan - ブラジル圏最大の掲示板
- - ドラッグ専門の匿名掲示板にして、アノニマスの出身地。開設者はオーブリー・コトル。
- 711chan - アノニマスの生息地
- Krautchan(現・Kohlchan) - ドイツ語圏の掲示板
- Hispachan - スペイン語圏の掲示板
- PTchan - ポルトガル語圏の掲示板
- Karachan - ポーランドの掲示板
- Ylilauta - フィンランドの掲示板
- - インセル専門掲示板。30歳まで童貞だと魔法使いになれるというクリシェが元ネタ。元管理人は8chan開設者のフレドリック・ブレンナン。
外部リンク
- 5ch
.net - 5ちゃんねる(旧2ちゃんねる) - info.5ch.net - 5ちゃんねるwiki(旧2ちゃんねるwiki)
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